プロローグ:雨の後の緊急ピットイン

前編では、秋酒祭で絶品の日本酒と秋の味覚を堪能した様子をお届けしました。しかし、途中で電動車椅子に轢かれてカッパが破れるというハプニングに見舞われ、雨に濡れてしまいました。

そこで、私たちは急遽、松坂屋に緊急ピットインすることにしました。デパートはバリアフリーが整っていることが多く、車椅子ユーザーにとって心強い避難場所です。

濡れた体をリフレッシュ!「石田純一スタイル」で気分転換

松坂屋に入り、まずは休憩スペースで濡れた体を拭きます。

穴の空いてしまったカッパは、もう役目を終えたようです。そして、愛用のスケッチャーズと靴下も水浸し。ヘルパーさんに靴の水を払ってもらい、思い切って靴下を脱ぎました。

「まるで石田純一スタイルだね!」

とヘルパーさんと笑い合いながら、裸足で靴を履き、気分を一新。この、ハプニングも笑いに変える柔軟な姿勢が、車椅子での外出を楽しく続ける秘訣かもしれません。

本文:北海道パワーには抗えない!デパートの醍醐味

体が温まり、気分も回復したところで、私たちは松坂屋の7階へ向かいました。お目当ては、デパートの醍醐味の一つ、北海道物産展です。

高島屋でも先月行ったばかりですが、「北海道パワーには抗えない」のが、もはや毎年のルーティン。秋酒祭の余韻と、雨で冷えた体に、温かいものが欲しくなりました。

筋ジストロフィーの視点から見るデパートのバリアフリーと配慮

デパートの物産展は、通路が狭くなりがちですが、松坂屋の会場は比較的スペースが確保されており、電動車椅子でも移動しやすかったです。

特に、会場の一角に設けられたイートインスペースは、車椅子ユーザーにとって非常に重要です。

絶品!札幌「釧路まるひら」のミックスラーメン

今回選んだのは、札幌にある「釧路まるひら」のラーメン。

車椅子だったためか、スタッフの方が配慮してくださり、列に並ばずに待機することができました。これは、体力の消耗を抑えたい車椅子ユーザーにとって、本当にありがたい配慮です。

待つこと10分、いよいよ入店です。

食券機で選んだのは、醤油と塩のミックス味。ありそうでなかった、このミックスに好奇心がそそられます。

誤嚥対策もバッチリ!車椅子ユーザーのラーメンの食べ方

食券を渡し、席に着いた後、私はスタッフの方に「小皿」をお願いしました。これは、ラーメンを小皿に移して冷ましながら食べるための、私の必需品です。

ここで、筋ジストロフィーの方への情報として、誤嚥対策の工夫を共有します。

誤嚥リスク対策の工夫補足
ネギネギ抜きで注文する誤嚥が心配な方は、ネギの繊維が喉に引っかかりやすいため、事前に抜いてもらうのがおすすめです。私はまだ言ったことはありませんが、次回試してみようと思います。
自前のハサミでカットする麺類は長さがあると誤嚥しやすいため、一口サイズにカットすると安全です。私はいつも携帯用のハサミで麺をカットしてから食べます。
熱さ小皿に移して冷ます熱いものは反射でむせやすいため、小皿に移して少し冷ましてから食べると安心です。

実食!キリッとまろやかな最高の〆

しばらくして、念願のラーメンが着丼。

スープの色は、醤油を薄くしたような、澄んだ琥珀色です。具材は、ネギ、メンマ、チャーシューというシンプルな構成。

まずは麺を一口。オーソドックスな食感です。ここからは、自前のハサミで麺をカットし、小皿に移しながら食べ進めます。

スープは、キリッとした中にほんのりまろやかさがあり、バランスが良く、全くくどくありません。

唯一、欲を言えば、チャーシューが少し硬めだったこと。味は良いのですが、嚥下しやすいように柔らかいチャーシューだったら、さらに最高でした。

途中で胡椒や七味で味変を楽しみます。この味変が、食欲をブーストさせる重要ポイント**です。

雨で濡れた体と、日本酒の名残りが効いて、

「食ってみな、飛ぶぞ」

と言いたくなる最高の〆となりました。最後まで美味しくいただけて、大満足です。

ご馳走様でした!

エピローグ:次への活力

秋酒祭から松坂屋でのラーメンまで、ハプニングもありましたが、ヘルパーさんのサポートと、事前の準備、そして何より「楽しむぞ!」という気持ちで、充実した一日を過ごすことができました。

筋ジストロフィーがあっても、工夫と準備次第で、外出の楽しみは無限に広がります。


長くなりましたが、秋酒祭と松坂屋でのレポートを終わります。最後までお読みいただき、ありがとうございました!

投稿者 エイチアール